イスラエル国 State of Israel
首都/主要都市 エルサレム
言語 公用語はヘブライ語。アラビア語も広く使われている。
宗教 ユダヤ教75%、イスラーム17.5%、キリスト教2%、ドルーズ派1.6%
気候帯 北は比較的雨が多く、南はほとんど雨が降らず、砂漠が大半を占める。
気候は温暖で、気温は日本と同じぐらいかやや高い。
標高差が大きいので気温の差も激しい。
観光査証・渡航認証要否・旅券残存有効期間(日本国籍)
観光査証・渡航認証 不要(観光、親戚・知人訪問、出張等の営利目的以外での3ヶ月以内の短期滞在のみ)
旅券残存有効期間 入国時6ヶ月プラス滞在期間。旅券の未使用査証欄が見開き2ページ以上必要。
予防接種
入国に際して義務づけられた予防接種はありませんが、以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にご検討ください。
◎感染症情報:http://www.forth.go.jp
持込制限・持出制限
◎持込制限
入国時の外貨の持ち込み制限額(含小切手・T/C)は、100,000シェケルであり、それを超える場合は申告が必要となります。
賭博機器、無線電話(900 MHz若しくは2. 4 GHz)、生肉、ポルノ雑誌類、爆薬、銃器・ナイフ等の武器、レーザー機器等は持ち込めません。
動物・植物、武器、個人使用目的以外の医薬品等を持ち込む場合には許可が必要です。
詳細は、イスラエル税関局(Israel Tax Authority)に直接お問い合わせください。
◎持出制限
出国の際に一定額以上のイスラエル通貨(シェケル)の外貨への再両替をする場合は、外貨をイスラエル通貨へ両替した際のレシートを求められるので、保管しておくことが必要です。
※日本国の持出・持込制限は税関 (http://www.customs.go.jp/kaigairyoko/index.htm) をご確認ください。
出入国における留意事項
◎入国時の留意事項
入国に際して、旅券にイスラエルを対立国としているアラブ諸国の査証・入国スタンプがあると、セキュリティー・チェックが更に厳しくなる場合があります。
2013年1月以降、空港からの入国の場合は原則として旅券に出入国スタンプは押されなくなりました。その代わり入国カードが発行されますので、滞在中はこのカードを必ず携行してください。
他方、イスラエル当局の個別裁量によりスタンプを押す権限は削除されておらず、仮に旅券にイスラエルの査証・出入国スタンプが押されている場合、イスラエルと国交がないアラブ・イスラム諸国では入国を拒否されます。陸路でエジプト及びヨルダンから入出国する場合、イスラエルの出入国スタンプがなくてもエジプト及びヨルダンの出入国スタンプが残れば、イスラエルへの入国事実が判明し、入国を拒否される可能性がありますので注意が必要です。
従って他のアラブ諸国を旅行する場合は、イスラエルを最終訪問国にする等、旅行計画等に配慮することが必要です。
◎出国時の留意事項
空路出国する際は、チェックインに先立ち、テロ防止のためのセキュリティー・チェックを受けます。その際、係官から口頭(ヘブライ語の他、英語)・日本語文書またはパソコンのディスプレイによる質問(滞在期間、滞在地、第三者からの贈り物、武器・危険物携行の有無等)があり、場合によっては携行荷物の検査や身体検査を受けることもあります。セキュリティー・チェックはかなり厳しく時間もかかるため(通常30分~1時間程度)、時間に余裕を持って空港に到着(出発の3時間前を目安に。出発の45~60分前には、チェックイン・カウンターが閉まります)するよう心がけてください。航空機内への預け荷物(旅行カバン等)の中に石鹸やナツメヤシの果実(デーツ)等があると、セキュリティー機器が危険物・要注意物品として反応することがあり、再検査を受ける場合もあります。
◎通関検査
イスラエルでは、付加価値税(17%)の関係で通関検査が厳しく実施されます。入国の際の通関は、通関申告を必要としない緑色のブースと赤色のブースに分かれています。新品のビデオカメラ・パソコン等の課税対象物品の価申告が必要な値が200ドル以上の場合は申告が必要です。通関申告で必要と認められれば、税関に課税相当額の保証金を納入し、出国の際に品物を確認のうえ返還を受けることになります。
法定休日(2020年)
イスラエルの祝祭日(イスラエルの祝日はユダヤ暦で祝われるため、西暦では毎年異なります)
4/8(過ぎ越しの祭前夜 エレブ ペサッハー、
4/9~4/15(過ぎ越しの祭り ペサッハー、
4/28(独立記念日前夜)、
4/29(独立記念日)、
5/28(7週祭前夜 エレプ シャブオット)、
5/29(7週祭 シャブオット)、
9/18(ユダヤ新年前夜 エレプ ローシュ・ハシャナ)、
9/19~9/20(ユダヤ新年 ローシュ・ハシャナ)、
9/27(贖罪の日前夜 エレブ ヨーム・キプール)、
9/28(贖罪の日 ヨーム・キプール)、
10/2(仮庵祭前夜 エレブ スコット)、
10/3~10/10(仮庵祭り スコット)
※イスラエルの祝祭日はユダヤ暦に基づき、祝祭日の日没から始まる。
パレスチナ自治区の祝祭日(新年、ランド・デー、ナクバ、クリスマス以外は毎年日付が異なる移動祝祭日)
1/1(新年)、
3/22(預言者ムハンマド昇天祭)、
3/30(ランド・デー[土地収奪反対の日])、
4/19(聖金曜日[正教会、カトリック])、
4/21(イースター[正教会])、
5/15(ナクバ[大災厄日])、
5/23~5/25(断食明けの祭り イード・アル・フィトル)、
7/31~8/2(犠牲祭 イード・アル・アドハー)、
8/20(イスラム暦新年)、
10/29(預言者ムハンマド聖誕祭)、
11/15(独立記念日)、
12/25(クリスマス)
◎ユダヤ教の祭日
日常生活では西暦を使うイスラエルだが、祝日はユダヤ暦で行われる。ユダヤ暦は12ヶ月の太陰暦であり、太陽暦の西暦より1年が10~11日短い。しかし春の祭りが秋や冬になると困るので、7年間に3回という割合で閏月(第2アダール月、アダール・シェニー)を加えて調整する。
◎ユダヤ暦とは
ユダヤ暦、いわゆる「創造紀元」は、聖書に記されているすべての年代を遡って計算したものだ。この方法でユダヤ教のラビは世界が創造されてから3830年あとにエルサレムの第2神殿が破壊されたとした。したがって創造紀元元年は西(キリスト)暦紀元前3761年となる。
◎イスラームの祭日
ムスリムの間で最も重要な祭りはラマダーン月の断食が開けた後の祭り(イード・アル・フィトル)と巡礼(ハッジ)後に行われる犠牲祭(イード・アル・アドハー)。
◎キリスト教の祭日
12月24日のクリスマスイブにはベツレヘムの聖誕教会で盛大なミサが行われるが、これはおもにローマ・カトリックが仕切っているもの。
各派ごとにイエスの誕生とする日は違い、例えばアルメニア正教会では1月6日、ギリシア正教会では1月7日がクリスマスだ。イエスがエルサレムに歓呼の声を浴びながら入場した日はシュロの祝日Palm Sundayと呼ばれる。カトリックのシュロの祝日(2019年は4月14日)には、エルサレムのオリーブ山から聖ステパノ門(ライオン門)にかけてその再現をとおして追体験する祭りがある。
時差
日本との時差は7時間。日本時間から7時間引いた時間が現地時間となる。夏はサマータイムが実施されるので6時間の時差となる。
サマータイム実施期間 / 3月の最終日曜日の直前の金曜日に2:00を3:00に、10月の最終日曜に2:00を1:00にする。
通貨
通貨単位はシェケル(Shekel、略号NIS) / Israeli Shekel(複数形はシュリカム)
補助通貨単位はアゴラ(Agora) / (複数形はアグロット)
1NIS=100アグロット=約34円(2020年3月6日現在)
※紙幣は200NIS、100NIS、50NIS、20NIS
※硬貨は10NIS、5NIS、2NIS、1NIS、50アグロット、10アグロット、5アグロット
※1985年にインフレのため、3ケタのデノミが実施され、以降ニュー・シェケルとなり、NISと表示されるのが普通。
◎両替
日本円からシェケルへの両替は、ベン・グリオン空港(テルアビブ)の両替カウンターや、主要銀行の一部の銀行、両替商などで行うことが出来る。
イスラエルで最も通用度の高い外貨は米ドル、その次にユーロ。
米ドルやユーロは小さな都市でも両替できるほか、ホテルやレストランなどではそのまま通用する。(つり銭はシェケルになり、換算レートは市中レートより若干悪い)
クレジットカード
クレジットカードの通用度は日本以上。ぜひ1枚は持っていきたい。VISAやMasterCardのクレジットカードは、銀行のATMでキャッシングできる。ICチップ付きのクレジットカードで支払う場合はサインでなく暗証番号(PIN Code)が必要。
電圧・周波数など
電圧 200V / 周波数 50HZ
※プラグ イスラエルのプラグは、通常3つ足で穴が楕円形の特殊な形だが、ヨーロッパで広く使用されている2つ足のCタイプが使える。
※ビデオ・DVD方式 イスラエルのテレビ・ビデオ方式はPAL。日本やアメリカの方式(NTSC方式)とは異なる。ソフト購入時には確認を。また、DVDは、リージョンコードは2で日本と同じだが、ビデオと同様に方式が異なるため、一般的な家庭用DVDプレーヤーでは再生不可能。
郵便
イスラエルの郵便局は赤いカモシカのマークが目印。小さな町でも郵便局があり、営業時間は一般に8:00~12:30と16:00~18:30。水曜は8:00~13:00のみ、金曜と祝祭日は8:00~12:30、土曜は休み。
パレスチナ自治区は郵便もパレスチナ政府によって運営されている。営業時間は8:00~14:00で金曜休。
郵便料金は、日本へ航空便ではがきを送る場合、イスラエルからは9NIS。パレスチナ自治区から送る場合は1.5NIS。
電話
日本からイスラエル
国際電話会社の番号+010(国際電話認識番号)+972(イスラエルの国番号)+市外局番の頭のゼロを取った相手の電話番号
イスラエルから日本
00(国際電話認識番号)+81(日本の国番号)+市外局番の頭のゼロを取った相手の電話番号
飲み水
水道水は石灰分(硬水)が多く含まれているため、飲み慣れない日本人にとっては下痢・腹痛等の原因ともなりかねないので、ミネラルウォーターの利用をお勧めする。イスラエルではミネラルウオーターが広く普及している。1.5リットルで8NIS前後が相場。パレスチナ自治区では3NISとイスラエルより安い。
国内移動について
◎飛行機
国内の路線をカバーしているのはアルキア・イスラエル航空とイスラエアーの2社。エルサレム、テルアビブ、エイラットなどに国内線の空港がある。
◎中・長距離バス
イスラエル国内全土にバスの路線がはりめぐらされている。始発時刻は正確で、特別なことがないかぎり、渋滞による遅延はない。
エゲッドバス[Egged Bus]
イスラエルで最大の路線網。主要都市を結ぶ便数が圧倒的の多い。チケットは当日バスステーションの切符売り場、あるいは運転手から直接買えます。
そのほかの会社
ティベリア周辺ではアフィキム[Afikim]、ナザレ周辺ではナザレ・トランスポート[Nazareth Transport]とジービー・ツアーズ[GB Tours]、テルアビブ周辺ではダン[Dan]、エズレル平野ではカヴィーム[Kavim]が運行している。
◎鉄道
国内全土をカバーしているわけでなく時間もかかるが、ダイヤが正確で、バスに比べて料金も安い。利用しやすい路線はベン・グリオン空港~テルアビブ~ハイファ~ナハリアを結ぶルートで、30分から1時間おきにあり、普通と急行がある。
◎シェルート
6~9人乗りのバン、あるいはミニバスで、空港~エルサレム市内など中距離を移動する乗り合いタクシー。バス料金よりやや高いが、指定の所で乗降できる。ひとりの料金は決まっており、運転手に渡す。アラブ地区ではセルヴィスという。
◎タクシー
都市間のタクシー運賃は固定料金が決められており、運転手に頼めば料金表をもらうこともできる。タクシーは町で流しの車をひろっても良いし、電話で呼ぶ事も可能。
※ラヴ・カヴ
チャージ式ICカード。エルサレムやテルアビブの市内交通(シェルート、タクシーは除く)だけではなく、エゲッドバス社の長距離バスや鉄道にも利用できる便利なカード。市内バスの1日券もこのカードにチャージできたりと、便利な使い方もできる。エルサレムではセントラルステーションで購入できる。
チップ
レストラン:請求書に「Service is not included」などと書かれている場合はチップが含まれていないので、料金の15%くらいを目安に支払う。サービス料が含まれている場合は払う必要なし。
ホテル:基本的に不要だが、高級ホテルなどで何か頼んだ時や、快適なサービスを受けときには、その気持ちに応じてチップを渡せばよい。
タクシー:流しのタクシーに乗車した場合は基本的に不要。もし払うなら、サービスに応じて渡せばよい。
ビジネスアワー
銀行 / イスラエル 8:00~12:00 土曜休業
パレスチナ自治区 8:30~13:30 金曜休業
デパート / 9:00~13:00と16:00~19:00が一般的。金曜は午前のみ。土曜は休業。
レストラン・カフェ / 12:00~15:00、18:00~24:00の時間帯に最も多くの店が開いている。
※近年は昼食後の休憩をとらない店もあります。
※コシェル(ユダヤ教の食事規定)を守っている店はシャバット(安息日)の間はクローズするところがほとんど。
※ノンコシェルの店の多くは無休で営業。
イスラエル気候
気候は地中海性気候で、夏季に乾燥しますが、全般に温暖で過ごしやすいといえます。夏季は日差しが強く最高気温が30℃を越え、冬季は最低気温が10℃前後となりますが、標高の高いエルサレムでは5℃以下まで下がり寒暖の差が激しくなります。5月から9月はほとんど降雨がありませんが、12月から2月は10日から15日程度雨が降ります。
夏場(5月~9月)は日差しが特に強いので、サングラスや帽子を用意する等の対策が必要です。またこの期間はほとんど雨が降らず、空気が乾燥しているので、十分な水分の補給にも留意することが必要です。
習慣・マナー
イスラエルではユダヤ教の戒律が市民生活に大きく影響しており、祝祭日・安息日(毎週金曜の日没から土曜の日没まで)には、一部例外を除き、路線バス、鉄道等の公共交通機関(タクシーを除く)は運行せず、大半の商店も休業します。
ユダヤ教の戒律を厳しく守っているユダヤ人居住区(エルサレム市メア・シェアリム地区等)では、祝祭日・安息日に自動車を乗り入れ、写真を撮影したり賑やかに騒いだりするとトラブルの原因となり、場合によっては投石等を受けることもあります。
イスラム教徒にとって毎週金曜日は合同礼拝が行われる休日となり、祝祭日についてもユダヤ教とは異なるため、イスラム教徒居住区へ入る場合は注意が必要です。
ユダヤ教シナゴーグ・イスラム教モスク・キリスト教会等の宗教施設では、ノースリーブやショートパンツ・膝上までのスカート等、肌の露出の多い服装では入場できない場合がありますので注意が必要です。
◎シャバットとは
安息日のこと。イスラエルの安息日は金曜の夕方から土曜の夕方までをシャバットといい、労働してはいけない事になっています。この間は公共交通機関がストップします。土曜は徐々に動き出すが本数が少ないため、公共機関で移動を考える方は注意が必要です。エゲッドバスは運休、観光地でも商店やレストランの多くが休業します。観光地でも商店やレストランの多くが休業する。
シャバットは「日没」が基準となるので何時から休むかは季節によって多少ずれる。
事務所や商店の多くは金曜の14:00頃で営業をやめ、土曜は1日中休み。
郵便局や銀行は金曜は午前中だけ開けて、土曜は休み。
レストランは金曜の14:00~16:00頃に閉まり、土曜の18:00頃から開店。
バスは金曜15:00頃から本数が減り、16:00頃にほとんどの路線が止まり、土曜は18:00頃から少しずつ動き出す。
タクシーは台数は減るが通常通り運行。
◎コシェルとは
コシェル(Kosher)とは、聖書に書かれているユダヤ教の食事規定。
動物についてはまず草食動物で(ライオンなど肉食類はだめ)、割れたひづめと反芻することが条件。
海や湖に住む生き物では、ひれとウロコのある物が条件。
①その他の動物:鶏などはOKだがダチョウ・猛禽はNG。地を這う四つ足動物もNG。
②食べられる肉でも血抜きする:正しく屠殺することが求められ、特に血抜きをするためにイスラエルの肉は一般に固くてパサつきがちだ。
③水に棲む、ひれとウロコのない生物はダメ:貝、イカ、タコ、エビ、ウナギなどは食べない。
④乳製品と肉類を一緒に食べない:チーズのかかったピザにサラミやハムなどの肉類は合わせられない。ハンバーガーもチーズが入っていないもの。
◎写真撮影
ほとんどの人は写真を撮られることを気にしないが、正統派の信心深いユダヤ教徒の中には写真を撮られることを嫌がる人もいる。アラブの、特に女性はやはり写真を撮られることを嫌う人が多い。
写真を撮るときは撮ってもいいですか?と言ってOKをもらってから撮るのがマナーだ。いきなりカメラを構えたりしないようにしよう。
◎階数の数え方
イスラエルの階数の数え方は、アメリカ式とヨーロッパ式が混在している。つまり、入り口のある階を1階と数えるか、グランドフロア(つまり地上階)を1階と数えるかで変わってくる。ショッピングセンターの2階という情報を聞いても、実際は2階や3階だったりすることもあるので気を付けよう。
◎宗教上のタブー
どの宗教でも会堂や聖地に入るときは肌を露出しないことが求められる。そのような場所では飲食や喫煙もタブー。写真撮影が認められているところでもフラッシュをたくのは周りを見てからにしよう。
医療
医療水準は欧米並みで安心して診療が受けられますが、治療費が高額なため、海外旅行傷害保険に加入しておくことをお勧めします。